宮城県仙台市、臨済宗妙心寺派 少林山保春院のウェブサイトです。

お彼岸の心

2016/06/30 (木)

猛暑の日々から、一転して中秋の肌寒さへと急激な温度変化です。皆様体調を保って居られますか。十分に御自愛下さい。

 思い出しますと昨年の今頃は、新本堂の落成式を無事済ませることが出来、今まで大変お世話になった老師さま方に新幹線に乗って御礼のご挨拶回りに出ていました。以来一ヶ年が経ちましたが、過日静岡市の臨済寺に行ってきました。

 臨済寺とは国指定重要文化財の本堂や名勝庭園がある専門道場です。また、今川氏輝公の菩提寺であり義元公の墓所もあります。その本堂の改修落成式に出席致しました。

 その道中に乗った新幹線一車両の約八割の方が外国の方々で、小田原近くに来た時、一斉に山手の方にカメラを向けて
「あ~あ。ざんねん。富士山が見えない」
「せっかく来たのにね」

 さすが世界遺産の富士山です。 その時思い出した句がありました。

「晴れて良し 曇りてもまた良し 富士の山       
         もとの姿は 変わらざりけり」

 勿論、雲で見えないより、紺碧の空に雄々しい姿が見えれば最高ですね。

 しかし、この句は富士山を喩えて他のことを言っているような気がするのは、私だけでしょうか。他にもこんな句があります。

「雲晴れて 後の光と 思うなよ
        もとより空に 有明の月」

 「本質、根本、本来の人間性、その人の良さは外見で決めてはいけません。雲で隠れて見えない物も、しっかりと見抜く心が大事ですよ。」
と教えているのではないでしょうか?

 何が本物で何が偽物なのか。何が善で何が偽善なのか。あの人の言葉は本当なのか、他の人のは間違っているのか。等々。「しっかりと見抜きなさい」という意味ではないでしょうか。

 もうすぐ秋彼岸です。浄土思想では「真西の方角に極楽浄土があり、そこには阿弥陀如来が居られる」との考え方から、太陽が真西に沈む春分・秋分の日が、お彼岸の中日になっているのが説ですが、私達禅の考え方は、彼岸(向こう岸)も此岸(こちら側)も同じ。
極端に言えば地獄も極楽も一緒。但し少々違うのは、自分の事だけを考えるか、自分+他人の事も考えるかだけ。利己主義即ち自分中心に考え、他人のことは無視するか。自分のことも他人のことも同じように考えるか、だけの違いでも結果は地獄と極楽の差が出来るのです。「自分本位に偏らない心が大切」な事に気付くのが「お彼岸の心」なのです。

 お彼岸の機会に、いま一度自分自身を見つめ直す時間があればいいですね。

境内案内

本堂 - HONDO -

平成26年に落成した禅宗方丈様式の本堂です。本尊「聖観世音菩薩」と、伊達政宗公ご両親のお位牌を安置しています。また、民間信仰として古くから伝わる不動明王「牡丹餅不動」も安置しています。

蔭涼軒 - INRYOKEN -

本堂再建の際に仮本堂として建てられ、東日本大震災の時には避難所にもなりました。檀徒の方を優先に、地域の方にも通夜会館、諸会議、展示会等でご活用いただけます。また、各種研修も受け入れています。

山門 - SANMON -

開山 清嶽和尚さま350年遠諱、保春院殿370遠年忌の記念事業として、建設されました。現在は瓦の破損と雨漏りによる腐敗のため解体保存中です。

位牌堂 - IHAIDO -

安置を希望する檀徒の位牌を預かる場所です。永代供養のための位牌も安置しています。

永代供養塔(三界萬霊塔) - EIDAI KUYOUTO -

後継者がいない方、墓じまいの方の為の合同永代供養墓です。年に一度、合同法要を行います。一般の方もご利用できますので、詳しくはお寺までお問い合わせ下さい。

動物霊園 - DOBUTSU REIEN -

家族の一員として一緒に生活してきた動物のお墓です。毎年春に合同法要を開催しています。 近隣の方もご利用できますので、詳しくはお寺までお問い合わせ下さい。

茶室(一華庵:いっけあん) - CHASHITSU -

宮城刑務所で亡くなられた方を供養するために建てられた茶室で、保春院に移築されました。現在は老朽化が進行したため、解体保存中です。

白山神社 - HAKUSAN JINJYA -

保春院の境内にある神社です。正式名称は「白山妙理大権現」といい、毎年春には例大祭が行われています。

↑ PAGE TOP