宮城県仙台市、臨済宗妙心寺派 少林山保春院のウェブサイトです。

無事是貴人

2016/06/30 (木)

『雨を聴いて寒更に尽き
      門を開けば落葉多し』

 禅語に「無事是貴人」というのがあり、よく掛け軸に書かれ床の間に飾られています。簡単に訳せば「一切の馳(ち)求(ぐ)心(しん)(外に向かって求める心)を捨てれば、心は常に清浄である。これを真の貴人と言う」という事ですが、果たして如何なものでしょうか。

「無事とは何も無い」のではなく「人生、日々いろんな事があります。喜怒哀楽の日常ですが、それをそのまま受け入れて、喜ぶときは大いに喜び、悲しい時には大いに悲しみなさい。しかし、それが過ぎたら断ち切って、心の切り替えをしなさい。平穏無事ということは、平々凡々ではなく、その時その時に徹底しなさい」という解釈が出来ます。即ち「何事も無い人生など有りはしない。ならば、その場その場に徹底しなさい。しかし、次の瞬間にはもうその事は無いですよ。いつまでも引きずってはいけません」という事ですね。その場に徹して、しかも捨てきる。平穏無事とはそんなことを言うのです。

 私事で恐縮ですが冒頭の言葉は、母が亡くなった時に父が祭壇の後に掛けた掛け軸の言葉です。直訳すれば「秋冷の雨の音かと思ったら、落葉の音であった」という事ですが、父は自分の心境を重ねていたと思います。母の死を落葉に喩え、向寒の砌を寂しさに重ねていたと思います。でも、この言葉には「掃いて綺麗になった庭に、また落葉が。でも頑張って掃除をするぞ」という、前向きな決意というものが感じられ、父の芯の強さを知りました。それで私の頭から離れない言葉になっています。

 今年も大変辛い別れがありましたが、それでも前を向いて生きていかなければなりません。雨の日も、寒風の日も、炎天下でも。これこそが「無事」という事ではないでしょうか。
 
 「掃けば散り 払えばまたも 塵つもる
        庭の落ち葉も 人のこころも」

          松島瑞巌寺 加藤隆芳 老師筆

境内案内

本堂 - HONDO -

平成26年に落成した禅宗方丈様式の本堂です。本尊「聖観世音菩薩」と、伊達政宗公ご両親のお位牌を安置しています。また、民間信仰として古くから伝わる不動明王「牡丹餅不動」も安置しています。

蔭涼軒 - INRYOKEN -

本堂再建の際に仮本堂として建てられ、東日本大震災の時には避難所にもなりました。檀徒の方を優先に、地域の方にも通夜会館、諸会議、展示会等でご活用いただけます。また、各種研修も受け入れています。

山門 - SANMON -

開山 清嶽和尚さま350年遠諱、保春院殿370遠年忌の記念事業として、建設されました。現在は瓦の破損と雨漏りによる腐敗のため解体保存中です。

位牌堂 - IHAIDO -

安置を希望する檀徒の位牌を預かる場所です。永代供養のための位牌も安置しています。

永代供養塔(三界萬霊塔) - EIDAI KUYOUTO -

後継者がいない方、墓じまいの方の為の合同永代供養墓です。年に一度、合同法要を行います。一般の方もご利用できますので、詳しくはお寺までお問い合わせ下さい。

動物霊園 - DOBUTSU REIEN -

家族の一員として一緒に生活してきた動物のお墓です。毎年春に合同法要を開催しています。 近隣の方もご利用できますので、詳しくはお寺までお問い合わせ下さい。

茶室(一華庵:いっけあん) - CHASHITSU -

宮城刑務所で亡くなられた方を供養するために建てられた茶室で、保春院に移築されました。現在は老朽化が進行したため、解体保存中です。

白山神社 - HAKUSAN JINJYA -

保春院の境内にある神社です。正式名称は「白山妙理大権現」といい、毎年春には例大祭が行われています。

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